はじめに


本インタビューは,「若手がゆく!」活動の一環として,サービス学会で活動している若手研究者に著名な研究者やビジネスパーソンとの交流を促す目的で企画したものです.
 今回,インタビューを引き受けていただいた識者は,長年,サービスの理論構築に注力し,価値共創マーケティングを提唱した岡山理科大学の村松潤一先生です.村松先生は,サービス・ドミナント・ロジック(Service-Donimant logic,以下,S-Dロジック)が提唱された当初から,それに注目した研究者です.その後,北欧学派のサービスの考え方に共感し,サービス・ロジック(Service logic,以下,Sロジック)の考え方をベースにマーケティング研究,サービス研究に携わられてきました.今回のインタビューでは,村松先生に,価値共創の考え方やサービス学のこれからの展望,研究の進め方などについてお話を伺いました.

村松先生へのインタビュー

価値共創マーケティング研究

 村松先生は2015年の著書で,「価値共創マーケティング」を提唱されました.先生が新しい考え方としての価値共創マーケティングを提唱した経緯について教えてください.

村松先生(以下,敬称略) 長年マーケティング研究を行ってきましたが,マーケティングは本当に人を幸せにできるのだろうか,という疑問をずっと持っていました.かつて,アメリカの経済学者ガルブレイスが『ゆたかな社会』という本の中で,「依存効果」という概念を示しました(Galbraith 1958).一般に,生産は消費のために行われると考えられますが,彼は現代の大企業体制の下では,逆に,消費が生産にコントロールされていると指摘しました.本来ならマーケティングというのは消費者ニーズを探って製品化することを目指しますので,「生産は消費のために行われる」という考え方には非常に心地よい響きがあります.しかし,実際のところは,そうではないのではないかという気持ちからモヤモヤしながら長い研究生活を送っていました.15年くらい前,S-Dロジックに偶然に出会い,その主張の2つの点に注目しました.一つは,価値は消費者が独自に現象学的に判断するということです.もう一つはオペラント資源として消費者を捉えようという,消費者の主体性を非常に強調する考え方です.それらを基にしてもう一度マーケティングの考え方,理論体系,実践体系を組むことが出来たら素晴らしいことだと思いました.
 マーケティングに対してわだかまりがあった時に考えたのは,マーケティング自体に問題があるのか,マーケティングを行う企業に問題があるのか,あるいは企業と消費者がぶつかり合う市場システムに問題があるのか,もっといえば資本主義の仕組みが問題なのか,ということでした.そして,S-Dロジックやその後のSロジックの核心的な部分に心惹かれて新しい視点からマーケティングの組み直しをしようということを考えました.
 従来のマーケティング研究では,サービスはモノとの対比で形がない財,無形財というように捉えられていました.そして,それは製品と比べて劣位にあり,それをいかに解消するか,いかにモノに近づけるかという議論に発展していきました.その延長線上にあるのがサービスの工業化ということだと思います.
 ところが北欧学派では,サービスとモノの違いはプロセスがあるかどうかというように考えています.プロセスとしてサービスを捉えると,少し違ったマーケティングの組み立てになってくるのではないかと思いました.消費者の生活世界でプロセスとしてのサービスが提供され,インタラクションとしてのサービスが交わされるところに焦点を当てて議論したのが価値共創マーケティングということになります.

 価値共創マーケティングについてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか.

村松 図1をご覧ください.市場は生活世界の一部になり,その全体がサービス社会になるというように捉えています.市場において,所有権の移転に焦点を当てて議論してきたのが,4Pを中心としたマーケティングです.これに対して,サービスは,生活世界で提供され,そこではインタラクションが起こります.そして,その結果,新しい価値が生まれるのであれば,それはマーケティング行為として捉えることが出来ます.つまり,そこに新しいマーケティング領域が存在し,それを価値共創マーケティングと名付けたというわけです.
 生活世界でどのように顧客との関係を構築していくかについて,サービス関係,サービスの未等価交換,情報の逆非対称性,文脈マネジメント,4Cアプローチなどいろいろな概念を提示しながら,新しいマーケティングの体系化を図ってきました.
 
 価値共創の考え方はこれまでのマーケティングの理論体系の中で,どのような位置づけになるのでしょうか.


図1 価値共創マーケティング

村松 価値共創マーケティングは伝統的なマーケティングを代替するものではなくて,両者は補完関係にあると捉えています.生活世界で構築されたサービス関係をベースにして,価値共創が行われる際に,モノとかサービシィーズが必要であれば,市場で効率的に調達すれば良いわけで,両者は補完関係にあるといえます.
 そして,生活世界という新しい領域は新たなビジネスチャンスを企業に与えることになると思います.

 交換後の消費プロセス,いわゆる生活世界に入り込むなら,従来の市場の範囲を超えた領域で企業が活動することになるかと思います.価値共創マーケティングの考え方では,市場,企業をどのように捉えたらよいでしょうか.

村松 生活世界における企業と顧客の関係というのは,市場とは異なっており,そこにおける企業と消費者の行動原理も違うものが働きます.ただ,生産性や効率性を否定するわけではなく,モノは市場で円滑に手に入ればそれで良いので,市場は市場,生活世界とは別というように考えています.したがって,インタラクションの捉え方も市場でみられるような売り手と買い手が対峙的に向かい合うような形ではないと思います.
 人間の行動を考えた時に,私たちが市場でモノを買うというのは,24時間のなかでほんの一瞬です.しかし,その一瞬に焦点を当て学問を成立させてきたのが経済学,経営学,商学などであり,私たちはそこで合理的な行動を要求されてきました,そもそもなぜ市場に出向くかといえば,やはりそれは目的ではなくて手段にすぎません.そこで手に入れたモノを使って,幸せになるという生活世界での目的を達成しようとするのが人間であり,研究の焦点を生活世界に当てる必要があります.消費者がなぜモノを買うかといえば,生活世界でそれを利用して心豊かな生活を,あるいは人生を創り上げていく,それが目的なはずで,そこに焦点を当てるからこそ人を幸せにするマーケティングが構築出来ると考えています.

 市場で企業の活動を評価するなら,より高い収益の獲得や,長期的な顧客関係の構築などの側面が考えられます.消費者の生活世界で展開される価値共創マーケティングの成果はどのように評価されるのでしょうか.

村松 実は,上原征彦先生が1985年の論文で,モノとサービスの違いをインタラクションの回数の違いということから説明されています.モノは市場で1回何らかのインタラクションがありますが,それでおしまいです.ところがサービスは市場取引後に実際のサービス提供が行われ,そこでインタラクションがあると指摘されました(上原 1985).すなわち,サービスの場合はインタラクションが2回あるのであり,ここに決定的な違いがあるという議論をされました.そこには,プロセスの有無からサービスを捉える北欧学派の考え方に通じるものがあります.
 さて,市場での経済的インタラクションで,交換価値をベースにモノとお金が交換されます.一方,生活世界ではそれとは別に価値共創によって新しい価値が生まれます.価値に等価の対価を支払うということからすれば,交換価値ではなくて,文脈価値,あるいは利用価値に基づいてプライシングの問題も考えるべきだというように私は考えています.
 
 インタラクションから生まれた文脈価値に対して,企業が対価を得られるのが望ましいと先生がおっしゃいましたが,それはサービス産業の場合なら考えやすいと思います.モノを生産,販売している企業にとっても,このような価値共創の理論が適用できますか.

村松 それは企業の戦略的な意思決定の問題になりますが,考え方としては,これからはすべてがサービス業になると考えるべきだと思います.要するに,生活世界で一般消費者とどのような関係性(サービス関係)を築き上げていくかというところから始まります.
 従来のモノ優先の考え方では,モノづくりをした製造業が最初にあって,その次に流通業があり,最後が消費者というように捉えられていました.消費の世界からスタートすれば,まずは消費者に対するサービス関係の構築からスタートし,サービス提供に際して必要なモノ・サービシィーズを調達するかしないかを考えます.その結果,すべてがサービス業という考え方の下で,サービス関係に留まってビジネスを組み立てるのか,それとも流通のところまで関わるのか,さらに製造にまで関与するのかを決めていきます.これまでとは逆の考え方になると思います.
 今までのマーケティングは所有権をどのように移転するかということに焦点を当ててきました.シェアリングエコノミーといわれる今日,人々はモノをあまり買わなくなり,これまでのマーケティングの有効性は低下することになります.所有権の移転を伴わないサービス利用だけでビジネスを組み立てなければいけません.しかし,そこでモノが必要ということであればそれを効率的に調達できる市場との連動は不可欠となり,生活世界と市場,これまでのマーケティングと新しいマーケティングは補完関係にあるということになります.

Tran ニューノーマルの時代において顧客の行動及び消費プロセスには様々な変化があります.この顧客の変化に対して,サービスやマーケティングの価値共創のプロセスはどのように変わっていくか,そして先生が提唱した価値共創マーケティングはどのように変わっていくかについてご意見を聞かせていただけませんでしょうか.

村松 新型コロナ感染拡大の前後において消費者の生活が変わりました.サービスやマーケティング研究のような社会科学というのは時空間に制約されているので,時間と空間が変わればこれまでとは異なった理屈が成り立ちます.
 消費者が実店舗に出向くことは減りネットで買い物するようになりました.また,家での滞在時間が増えました.このような条件の下でマーケティングを組み直すということになれば,これからはまさに価値共創,あるいは価値共創マーケティングの時代だと思っています.サービスを基軸とするマーケティングは人々が日々暮らす生活世界が舞台だからです.価値共創マーケティングというのは,その意味で良いタイミングといえるのではないかと思います.
 時空間が異なるからという話,あるいはニューノーマルということであるなら,マーケティングというのは,これまで企業と消費者が離れた状態にあることを前提にして組み立てられてきました.離れているから離れたままリサーチをかけ,製品を作って,離れたまま売っていくという形でした.しかし,情報技術に支えられてヒトもモノも全てが繋がるようになったので,「with」(共に)という新しい関係のもとでマーケティングの問題を考えていくことになりました.ここが以前とは大きく変わった点であり,それがマーケティングにおけるニューノーマルの世界だと思います.
 「with」の関係のもとで考えるマーケティングですが,それはもちろんリアルでも構いません.ネットで繋がっている状態というのは,いつでもどこでもサービスが提供出来るということであり,そのことを前提に置いてサービスやマーケティングの組み立てをしていくことになります.離れていたからこそ重要であったプロモーションの役割は今後大幅に低下します.逆に「with」の関係になったことから,そこで生まれた課題をすぐに解決出来るように,サービスやマーケティングを考えていかなければなりません.その意味で価値共創マーケティングはこれまで以上に即時性を高めていくことが重要になっていくと考えています.

価値共創研究とサービス学の接続

 価値共創研究はサービス学の構築にどのような貢献をできると考えていますか.

村松 私からすると,その質問はむしろ逆で,サービスの考え方がマーケティングを刷新していると思っています.
 サービスの考え方で一番素晴らしいと思っているのは,人間が中心に成り得るということです.これは全ての学問は人のためにあるということに繋がっています.サービスの考え方では,与え手ではなく,受け手が中心になります.このようなサービスの考え方はマーケティングに大きな影響を与えていますし,こうした受け手中心のサービスの考え方をより深化させていきたいと考えています.

Tran 日本発のサービス学において,どのような理論システムが求められるかについて,教えていただけませんでしょうか.

村松 マーケティングに限っていえば,アメリカという独特な市場社会で生まれたマーケティングを,日本はほぼそのまま受け入れてきたところがあると思います.アメリカ社会で成立したそうした考え方も答えもそのまま日本に適用しようとしたこと自体がナンセンスだったと思います.日本の土壌に合わせるということでいえば,例えば「三方良し」とか,「情けは人のためならず」とか,あるいは「自他非分離」(清水 2000)といった考え方には,アメリカとは違う日本独自の文化的・社会的背景があります.日本から発信するサービスやマーケティングは実はそれらがベースになっていくと私は思っています.
 「情けは人のためならず」というのは,人に情けをかければ巡り巡って自分に良い報いが返ってくるということですが,それは私のいう利他的利己主義の考え方ですね.物事を二項対立的に捉えるのではなく,自分の中に他人の世界も入れられ,他人の気持ちになれるというのが日本人であり日本の社会だということです.
 このような日本的な考え方を,サービスやマーケティングに適用することができます.自分のことだけを考えておれば丸く収まる世界ではなく,最初から相手のことや社会のことを考えて行動するという日本社会の特徴をサービスやマーケティングの中に取り込んでいけば,日本的な良さを発揮できることになります.サービス研究を日本から発信しなければいけないという理由はそこにあります.
 西洋は俗に,言われればやるサービスです.一方,おもてなしのように,言われなくてもやるのが日本のサービスです.そこでインタラクションを起こしながら良いものを創り上げていくわけです.このような日本社会に伝統的にある考え方を全面的に打ち出していくのが,サービスやマーケティングの新しい考え方です.

価値共創マーケティングにおけるサービス倫理

ホー 価値共創マーケティングは顧客の生活世界に入り込むことを強調されていますが,そこには負の側面もあるように思います.テクノロジーの発展の文脈ではありますが,最近のJournal of Service Researchに出されたリサーチアジェンダの論文(Ostrom et al.2021)でもサービス倫理に関する議論がありました.企業が顧客の生活に入り支配的になると,提供側の責任も増していくのではないでしょうか.

村松 自由には責任が伴うので,人間中心のサービス社会は人間がどれだけ責任を負うか,つまり,人の意思決定によって社会の在り様が変わってくるので,非常に成熟した社会でないと価値共創マーケティングは成立しないと考えています.私も参加した日本学術会議の提言書でも,サービス社会においては企業にも責任があり,加えて消費者・市民や政府にも責任があって,人間中心である以上は社会性を持った意思決定をそれぞれ行わないと良い社会にならないということが述べられています.
 人間はこれまで市場で物事を解決してきましたが,市場で求められるのは合理的な意思決定です.合理的に意思決定するから,見えざる手によってすべてが調整されるという.しかし,生身の人間は必ずしも合理的な存在とはいえず,むしろ市場システムにおいて非常に息苦しいモノの買い方を強制されてきました.これに対して,生活世界であれば自由に意思決定ができ,一方で責任もあり,という自律的な成熟した高度な社会を念頭に置きながら,価値共創マーケティングの考え方が普及していくと良いのではないかなと思っています.

根本 企業が生活世界に入り込んでいくときに,市場の行動原理が生活世界の原理を侵食するような形で入っていってしまうと,冒頭に先生のおっしゃっていた「依存効果」のようなものが生活の至るところに満ち溢れていくような,そんな世界も思い浮かべられます.

村松 市場のメカニズムにおける企業の合理的な意思決定,極端な例としては消費者を丸め込むような意思決定や行動原理を生活世界に持ち込む可能性というのは,やはり考えなければいけないと思います.それをどう食い止めるかという話ですが,Sロジックの提唱者であるグルンルースはビジネスの基盤がどこにあるかという議論をしています.私が評価したいと思ったのは,価値創造者である顧客をサポートすることがビジネスになると彼が言っていることです.そこでいうビジネスは,企業の利益を抑えて消費者をサポートせよということではなくて,利益は利益で確保しながら,価値創造者である顧客の価値創造を共創という形でサポートするビジネスという意味です.そうすれば,利潤を追求するというビジネスの原理そのものは守りながら,顧客も幸せになれる可能性もあるということです.したがって,そこを切り分けていくことが必要ではないのかと考えています.
 
根本 「サポートする」という姿勢は非常に大事ですね.幸せにしてあげるのではなく,幸せになっていくところを何らかの形で支えるという.顧客主導の価値創造を重視しながら企業が生活世界に入っていくという点に非常に共感します.
 少し戻って顧客がプライシングにも関わっていくような話もありましたが,そうなると企業だけでなく顧客である生活者にも倫理やリテラシーが求められるように思います.そこでは,先ほどおっしゃっていたような「社会性を持った意思決定」をしていく市民的なモデルというのが基盤になるのでしょうか.

村松 はい,そうなると思います.誤解がないように受け取ってもらいたいのですが,企業は社会や我々市民にとっては手段でしかないので,資本主義や市場,企業の利潤動機を上手く利用しながら,私たちが幸せになっていく仕組みを考えていくべきだと思います.そして,そのためには生活世界を起点にして社会全体の組み直しをしていく必要があると思っています.
 もう一つ付け加えていうと,S-Dロジックのいうナレッジとスキルというのは能力の問題ですが,人間ですから意志の問題もあります.企業との価値共創を望まない,企業が提供する範囲内でモノを選択して,それで十分だという人たちも勿論いますし,価値共創を望みながら能力が備わっていない場合もあります.能力と意志の高低と強弱を組み合わせながら,誰にどのような対応をしていったら良いかを考えるべきで,それは企業側にも言えます.そういった意志の問題も含めて,この議論をしていかなければいけないなと考えています.

若手研究者へのアドバイス

ホー 村松先生の下で学び,活躍されている研究者が多くいます.研究室運営や後進の育成に関するポリシーを教えてください.

村松 人に恵まれました.要は優秀な人ばかりが研究室に入ってくれたということですね.ちょっと張さんが笑っている顔が見えますが.正直な気持ちですよ.
 私が心掛けているのは,院生の目指すゴールを良く理解した上で指導するということですね.社会人や留学生含めてドクターの学生のほぼ全員が研究者になりました.全体で十数人になりますが,この「業界」はよほど魅力があるのか.そうでもないと思うのですけれども(笑).ともかく私は彼らのゴールに,サービスのような形で寄り添うことを大切にしました.
 私は人の幸せを通じて自分も幸せになりたいと思っています.サービスの考えとよく似ていますね.今サービスや価値共創の研究をしているのは私の性格に合っているなと思います.人の幸せを通じて自分も幸せになったら,こんな良いことはないな.そういう気持ちで学生と接してきました.

ホー 若手の出版戦略に関してどのようにお考えですか.

村松 業績主義に走ると皆海外で業績を上げるようになってしまいます.その際に海外のジャーナルに載りやすいのは,世界に共通する問題を定量的に扱うというスタイルが一番評価されます.しかし,そうすると国内における学問の発展がなかなか進まない状態が生まれてしまい,非常に悩ましいところです.
 文系は, 理系と違って国際ジャーナルにはなかなか載せ難い.たとえば,源氏物語を英語で議論してどうするという話を聞きます.あるいは,私のような社会科学の分野では,国内産業や地域経済の活性化をどうしようか,という問題もありますが,そういった研究課題について国際的には評価されないようです.
 先ほどお話したようにサービス学は日本から発信すべき学問であり,その意味から,本学会も国際的に通用するジャーナルを含めた日本発の学会になればと思っています.
 学問の継続性ということを考えれば,若い人達が動いてくれなければ仕方がない.年配の私たちも,学問の発展のために若い人の力が大事だと思っているので,国際性を高めながら国内問題を解決できるような学会を目指し若手の業績蓄積に貢献したいと考えています.

参考文献

Galbraith, J. K. (1958). The Affluent Society. Houghton Mifflin.
Grönroos, C. (2006). Adopting a Service Logic for Marketing. Marketing Theory, 6(3), 317-33.
Ostrom, A. L., Field, J. M., Fotheringham, D., Subramony, M., Gustafsson, A., Lemon, K. N., & McColl-Kennedy, J. R. (2021). Service Research Priorities: Managing and Delivering Service in Turbulent Times. Journal of Service Research, 24(3), 329-353.
Vargo, S. L., and Lusch, R. F. (2004). Evolving to a New Dominant Logic for Marketing. Journal of Marketing, 68(1), 1-17.
上原征彦(1985).サービス・マーケティングの本質とその日本的展開.季刊マーケティングジャーナル.4(4),11-18.
清水博編著.(2000).場と共創.NTT出版.
日本学術会議 経営学委員会・総合工学委員会合同 サービス学分科会.(2020).サステナブルで個人が主体的に活躍できる社会を構築するサービス学,1-33.
村松潤一編著(2015).価値共創とマーケティング論.同文舘出版.

識者紹介

村松 潤一

岡山理科大学経営学部教授.広島大学大学院社会科学研究科教授,広島大学マネジメント研究センター長を経て,2017年4月より現職.博士(経営学,東北大学),広島大学名誉教授.プロセスとして捉えるサービス概念にもとづいたマーケティング研究の成果として,価値共創マーケティングという新たな概念を提唱.

張 婧

金沢大学人間社会研究域講師.博士(マネジメント).2016年広島大学社会科学研究科博士課程後期修了.岡山理科大学経営学部専任講師を経て,2021年4月より現職.サービス理論,生活者の価値創造プロセスの解明,価値創造をサポートする企業活動に関する研究に従事.

ホー バック

東京工業大学工学院経営工学系エンジニアリングデザインコース助教.博士(知識科学).サービス力学(Service Mechanics)の理論研究に従事.日本TSRコミュニティを共同主催.

根本 裕太郎

東京都立産業技術研究センターIoT技術グループ副主任研究員.博士(工学).Well-being志向のサービスデザインの研究に従事.日本TSRコミュニティ共同主宰.

Tran Thi Tuyet Nhung

愛知東邦大学経営学部助教.博士(経済学).京都大学大学院経済学研究科修了後,名古屋商科大学非常勤講師を経て,現職.主として小売マーケティング,新興国流通構造の研究に従事.

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