はじめに

近年ではサステナビリティの取り組みが注目を集めています.ブランディング活動は現在の社会環境と密接に関連しており,サービス産業がGDPの約7割を占める日本国内のみならず,世界各国においてもサービス領域のブランディングの重要性は非常に高い状況にあるといえます.この度,サービス領域でのブランディングとサステナビリティの各活動及び関連性をより明確に理解するために,愛知東邦大学・経営学部の教授,日本ブランド経営学会の会長である上條憲二先生にインタビューを行いました.

「ブランド」と「ブランディング」とは

Tran 「ブランド」と「ブランディング」という言葉は,日常生活でよく聞かれますが,その概念については曖昧な理解をしている人が多いかもしれません.まず,「ブランド」という概念について詳しく教えていただけませんでしょうか.

上條教授(以下敬称略) 「ブランド」という言葉,確かにいろいろな使われ方をしていますね.高級品を思い浮かべる人,広告などからのイメージやネーミングを思う人,人によっては「大企業しかできないこと」などという人もいます.曖昧な割にはよく使われている言葉です.私は,「インターブランド」というグローバルブランドのブランド価値ランキングで知られているブランドコンサルタント会社にいましたが,そこでは「ブランドとは『人々の頭の中にある確固たる存在』であり,経営的には『常に変化するビジネスアセット(資産)』」と定義していました.
たとえばモノを作って販売する場合,工場で生産された段階では「製品」と呼ばれ,お店に並ぶと「商品」になります.その時点ではまだブランドにはなっていません.人々の頭の中に「~といえば〇〇だ」という存在となって,初めてブランドになったと言えます.
とはいえ,ブランドというカタカナ用語はやや曖昧ですので,コンサルタント時代は時々「らしさ」という言葉に言い換えていました.「〇〇らしい」とは,「頭の中にある期待値」に他なりません.ですから,「〇〇らしいね」と言われたらブランドとして成立していると言っても良いと思います.

Tran 「モノのブランド」はどうやってできるのでしょうか.

上條 今ご説明しましたように,単にモノをつくった,モノができた,それだけではブランドとは言えません.それはまだ製品であり商品の段階です.少し思い浮かべてみてください.あるモノがあったとして,多くの類似したモノの中からなぜそれを選んだのでしょうか.私たちが何かを購入するとき,モノの場合ですと機能的価値と情緒的価値によって選んでいます.機能的価値は目に見える,すなわち客観的に評価可能な価値です.目に見える価値はとても大事ですが,他社も類似のモノをつくることができます.他社の方が機能的に優れていればそちらを選びます.では,情緒的価値はどうでしょうか.情緒的とは「何となくいい」「なんか好き」「いい感じ」など主観的な感情で,ややフワッとした概念です.実は,ブランドになるためにはこの情緒的価値の方が大事なのです.情緒的価値は他社がマネをすることは出来ません.何となく好き,共感する…,など,そんな存在になるとブランドになった,ということです.機能的価値ではなく情緒的価値,物ではなく物語,最良というよりむしろ最愛,そんな存在です.

Tran 顧客に対して情緒的価値や物語を伝える方法について教えていただけませんでしょうか.例えばマーケティング戦略やコンテンツのアプローチ等を具体的に教えていただけると嬉しいです.

上條 そうですね.以前私が勤めていたインターブランドという会社では,グローバルのブランド価値評価ランキングを発表しています.そこでの評価方法に,利益のうちブランドがどれぐらい貢献しているかを換算する仕組みがあります.例えば,機能的価値による差別化ができたとしても他の企業にすぐに真似されてしまいます.しかし,情緒的価値はなかなか真似することはできないものです.情緒的価値の方が高いところはブランド価値が高いとされています.インターブランドは機能的価値より情緒的価値のほうが重要だと考えているのです.ただ,どのように情緒的価値を出すかを考えてブランディングするのはなかなか難しいことです.パンプレットや動画などを作ればいいということだけではなく,様々なツールを活用してブランドを構築する必要があります.ブランド価値評価が高い企業では,モノより人の心を打つような要素を重視しています.

青砥 例えば,ESGの取り組みを情報発信することも,情緒的価値や物語を伝える方法と捉えてよいでしょうか.

上條 そうですね.ESGにしても各企業ならではの方針や取り組みがあると思います.それぞれの企業で「自社は他社と違ってどういう世界観なのか」を議論して物語や情緒性を考えて情報発信されていますよね.

Tran 「ブランディング」とはブランドを創ることでしょうか.ブランディングについてもう少し教えていただけませんでしょうか.

上條 そうですね,「ブランディング」とは「ブランドを意図的につくる」ことです.人々の頭の中に「~といえば〇〇だ」という確固たる存在として認識されるようにすることです.この場合,3つの条件を満たす必要があります.一つ目は,「自分たちにブランドを創る意志や能力があるか」,二つ目は「それが社会や顧客のニーズに応えているか」,三つ目は「それが他社と異なっているか」です.
『「こんなブランドになろう」,「こんなブランドをつくろう」という意志があり,それが今日や将来の社会やお客様のニーズに応えている.しかし,他社と同じではそちらが選ばれてしまうので,やはりどこか違いがある.』このような条件を満たしていくとブランドになることができます.その3つの条件を満たしたところにはそのブランドならではのブランドコンセプト,ブランドの核のようなものがあるはずです.ブランドコンセプトも少し説明が必要な言葉ですが,端的に言いますと「そのブランドの個性の源」のようなものです.
私とTran先生が勤務している愛知東邦大学のブランドコンセプトは「オンリーワンを,一人に,ひとつ.」です.これが,先ほど述べました「愛知東邦大学らしさ」の基盤にあるものです.
つまり,ブランディングとは「ブランドコンセプトに基づき,あらゆる事業活動を行うことにより,人々の頭の中に『~と言えば〇〇だ』『〇〇らしい』と認識され,それにより選ばれる存在になること」と言うことができます.

「モノのブランディング」と「サービスのブランディング」

Tran モノのブランドやブランディングについてはある程度イメージできますが,無形財のサービスのブランド及びサービスに対するブランディングは,形のあるモノのブランド及びブランディングと異なりますか(どう異なりますか).

上條 基本的にはモノもサービスも変わりません.今述べたようにブランディングとは「ブランドコンセプトに基づき事業活動」行うことですので,提供するものがモノでもサービスでも同様です.お客様がそのブランドと接する点をブランドタッチポイントと呼びますが,違いはそのタッチポイントの違いだけです.

Tran なるほど,タッチポイントの違いだけであって,モノでもサービスでも基本的には変わらないのですね.サービスのブランディングについて先生が担当した経験がある事例についていくつか紹介していただけませんでしょうか.

上條 例えば愛知東邦大学での取り組みについて説明したいと思います.正確な定義は置いておくとして,モノを作って販売しているわけではありませんので,大学もサービスの価値を提供していると考えておきましょう.私は,愛知東邦大学のブランディングを推進する立場にいました.「愛知東邦らしさ」とは何かを見つけるために,いろいろな活動をしました.教員,職員,在学生,保護者,系列の高校生,提携校,卒業生など3,000人以上からのアンケート回答の分析,それらをもとにした教職員全員を対象とした座談会など,現状を徹底的に見つめ,本学らしさとは何か,何をすべきか,「愛知東邦大学らしさ」つまり,ブランドコンセプトを考えました.
これが先ほど述べました「オンリーワンを,一人に,ひとつ.」です.しかしこのままでは,ただ言葉を考えただけです.ブランディングはそのコンセプトの具現化こそが大事です.まず,見た目,これはⅥ(Visual Identity)と言いますが,見た目の「らしさ」です.ブランドコンセプトをもとにブランドシンボル,つまりロゴマークを考えました.また,ブランドカラー,書体,ブランドシンボルの使い方もブランドコミュニケーションガイドラインできちんと定めました.
そして,もう一つの柱,それはブランドコンセプトを軸としてどのように具体的に活動するか,です.「オンリーワンを,一人に,ひとつ.」のための授業はどうあるべきか,教育の姿勢は,キャリア支援は,施設は,学生への向き合い方は,そして,入学試験そのものは…,などブランドのタッチポイントとなるものすべてにコンセプトを具現化させるようにしました.また,教職員全員がブランドコンセプトを具現化するためにどのように行動するかという,自身のクレドをもっています.これは,大学では珍しいのではないでしょうか.ちなみに私のクレドは「その1%を見つけ出し,100%にする」です.

丹野 形のあるモノと形のないサービスのブランド認知過程は同じかもしれませんが,認知後のブランド維持活動にはどのような違いがありますか.

上條 形があるモノと形のないサービスは確かに認知後のブランド維持活動に違いがありますね.形があるモノはそのものが他との違いを示す,いわば識別されるものとしての役割を果たしていますが形がないものはそうではありません.ですから,繰り返しになりますがタッチポイントをどのように「そのブランドらしく」していくか,お客様の観点から言いますと形がなくても「そのブランドらしさ」を味わえるかどうかが重要になります.その意味で,形がないサービスのブランディングは形があるモノより広い視野のマネジメントが必要かもしれません.

ブランディングと企業の事業活動

Tran サービスのブランディングと企業の事業活動にはどのような関係があるのでしょうか.

上條 大学の事例と少し重複しますが.企業の事業活動そのものがブランディングです.個別最適的に活動を行うのではなく,自分たちしか持っていない,「らしさ」というブランドコンセプトに基づき,すべての事業活動を一貫性をもって活動していくこと,これがブランディングです.それによって「〇〇らしい」という“イメージの貯金”が人々の頭の中にストックされていくわけです.ある有名なホテルですが,そこでは「さすが〇〇ホテル推進活動」という活動をしています.外観,設備,フロントの対応,客室係の人の接遇,問い合わせ応対,バックヤードの活動,レストランの料理,広告,SNSなどなど,およそそのホテルのブランドタッチポイントに関わる全てに「さすが〇〇ホテル」と認識してもらうためには何をすべきかを絶えず考えています.ブランドは細部に宿るのです.

丹野 「ブランドコンセプトに基づき,全ての事業活動で一貫性をもって活動していくことがブランディングである」ということについて伺いたいです.サービスの戦術を検討する上でサービスマーケティングミックス7Pがありますが,この7Pのシナジーとここでの一貫性は同じ意味でしょうか.

上條 そうですね.サービス産業にとっての事業活動である7Pはまさにブランドコンセプトの一貫した実践が必要ですし,互いのシナジーがなければ意味がありませんね.

丹野 企業の中には,商品・サービスのブランド構築の意識が強くなりすぎることで,企業理念との乖離が生じることもあるかと思います.別の言い方をすると,具体と抽象の行き来ができない企業が一定数存在すると思われますが,この点について企業にアドバイスできることは何かありますか.

上條 企業理念との乖離はよくあります.企業理念の解釈の幅が広すぎる,あるいは抽象的すぎて何をしていいいか分からないというケースが多いようです.この場合,企業理念をもとに何をすべきかという方向性を示した何らかのコンパスが必要です.人間で例えてみましょう.企業理念は人間の心のようなものです.そして人間には頭があります.心で信念を抱き,自分が置かれている環境でどう生きていくべきか,頭で考えます.頭で考えるときの拠り所となるもの,それがコンパスです.愛知東邦大学の場合,企業理念にあたる建学の精神は「真に信頼して事を任せ得る人格の育成」です.しかし,これだけでは幅が広すぎで,何をどうしたらいいか分かりません.そこで,精神と行動を結ぶ懸け橋が必要です.「オンリーワンを,一人に,ひとつ.」はその懸け橋であり,何をしたらいいかを示すコンパスです.ですから,抽象的な概念を少しでも具体的にしていく方法が必要です.

丹野 また,リスクマネジメントになるかと思いますが,いつの時代も企業不祥事が起こります.不祥事を起こしてもブランドを毀損せずに済んでいる企業は,どのようなことに注意をしていると考えられますか.

上條 最近,三浦悠佑さんという企業コンプライアンスを専門とされる弁護士の方が,「コンセプトドリヴン・コンプライアンス」という本を出されました.彼は「コンプライアンスの失敗はブランド戦略の失敗である.ブランドとコンプライアンスは隣りあわせだ」と語っています.何をしたらコンプライアンス違反になるか,という「守り」の姿勢ではなく,自分たちのブランドコンセプトにもとづき,正々堂々と仕事を進めればコンプライアンス違反などの事態は招かないという主張です.企業理念やブランドコンセプトを定めるとき,だれも「社会を裏切るようなことをしよう」などとは考えませんよね.少なくとも自分たちの信念や存在意義を考えるはずです.それを堂々と進めれば企業不祥事は起こらないという考え方です.

丹野 リスクマネジメントの観点で言えば,ブランドは社内の従業員へ対しても大きな意味を持つと思います.つまり,自社ブランドの本質的な理解度合いによって,従業員の思考や行動が変わるのではないでしょうか.

上條 前職でエバラ食品工業さんを担当していた頃です.エバラさんは「こころ,はずむ,おいしさ.」をブランドコンセプトとして事業活動を行なっています.東日本大震災の時に,従業員の方が“どうすることがエバラらしいのか?”を徹底的に考えて,焼肉を作ることができるキッチンカーをたくさん作って,被災地に赴き,被災された方々に焼肉を食べてもらった,ということがあります.
このような被災地への支援活動は今も続いているようですが,ブランドコンセプトが従業員に浸透していなければこのような発想ではなく,まったく別のことになっていたかもしれません.別のことをしたからといってブランドが毀損するわけではありませんが,毀損する可能性は高まります.

サービスのブランディングとサステナビリティ(Service Branding×Sustainability)

Tran ブランディングはサステナビリティにどのように関係し,影響や効果をもたらしますか.

上條 関係は大ありです.現在の社会環境と無関係でブランディングはあり得ません.ブランドは自分たちの考え,つまりブランドコンセプトに共感してもらうことから出来上がっていきます.自分たちの考え方の一方的な押し付けではいけません.自分たちがお客様,ステークホルダーの方に,こんなことをするブランドですと「約束」します.お客様はなるほどと思い「期待」します.その「約束」と「期待」の連鎖によってブランドは出来上がっていきますし,強くなっていきます.つまり,ブランドは自分たちとお客様の「両想い」から出来上がっていくわけです.最近では,「ブランドはお客様とともにつくるもの,共創によって出来上がるもの」という考え方をされるようになってきました.ブランドは単独で存在するものではありませんので,当然,社会のニーズに自分たちとしてどう応えていくか,現在でしたら,サステナビリティにどう対応していくかは必須要件とも言えます.

Tran ブランドがお客様との共創によって形成されるという点に興味を持っています.お客様がブランド構築に意見を提供し,参加することは,ブランドにとってどんなメリットやリスクがあるのでしょうか.また,顧客との共創を実現するために,企業側はどんな取り組みを行う必要があるのでしょうか.さらに,ブランド共創が実現した場合,企業と顧客との全体的な関係はどのように変化するのでしょうか.

上條 そうですね.共創によるリスクはあまりなく,メリットが多いと思います.先ほどインターブランドのブランド評価について話しましたが,もう少し詳しく説明しましょう.まず,企業の利益を出して,その利益の中でブランドはどのぐらい貢献しているのかを評価します.評価指標には「志向力」「結束力」「共感力」「俊敏力」「独自性」「整合性」「共創性」「存在感」「信用度」「愛着度」の10項目があり,この中の「共創性」では『顧客やパートナーを巻き込んで対話を生み出し,参加や共同を促すことができているか』ということを評価しています.最近は,この「共創性」がブランド強化・成長のための重要指標として評価されるようになりました.ブランドは企業の自慢であったり,企業だけで構築したりするものではなく,顧客や社会や環境と共に考えて成長していくものです.ただし,共創について考える際には,全ての顧客の要望を応えればよいというものではありません.全てのお客様の要望を満たしていると,企業の「らしさ」をなくしてしまいます.企業が自分たちらしく,顧客と社会との調和をどのように取っていくかというのは各企業の課題となります.現代のブランディングやマーケティングでは,顧客や社会や環境等のニーズを吸収し,共に考え,共に創り,共に育てていくという姿勢や取り組みが非常に重要です.

Tran サステナビリティをブランディングにどう取り込んでいけばよいのでしょうか.

上條 サステナビリティをブランディングに取り込むということではなく,自分たちのブランドコンセプト,つまり「自分たちらしさ」を基準において自分たちらしいサステナビリティはどうあるべきか,を考えた方がいいですね.サステナビリティを目指した具体的な活動は,ブランドによって異なります.「サステナビリティが大事だ!」「SDGsだ,ウチも何かやらなくては」という発想ではなく,どうしたら自分たちらしいSDGsの取り組みができるかを考えることが大事だと思います.その活動を続けた結果,「さすが〇〇だね,サステナビリティ活動にも一本芯が通っているね」と認識されてきます.その結果,ブランドは強くなっていきます.

Tran ブランディングがサステナビリティへ影響を与え,効果を生み出している企業の具体的な事例を教えていただけませんでしょうか.

上條 三重電子という三重県伊勢市のBtoBの中小規模の会社があります.その会社は自分たちでブランディングを進め「その先の笑顔をつくる.」というコーポレートビジョン,つまりブランドコンセプトを定めました.全ての事業活動はその考え方に沿っています.サステナビリティの視点に立ち,事業活動そのもの,環境,社会,地域,そして社員に対して「笑顔」が生まれるためには何をすればいいかを考え,それを少しずつ実行に移しています.「笑顔」が生まれる環境とは何か,地域社会に対して何をすればみんなが「笑顔」になるのか,社員が「笑顔」になるためには何がいいのか,など「ブランドコンセプト」×「サステナビリティ」=「自分たちらしいサステナビリティ」という考え方です.企業の業績も好調ですし,社員の皆さんの満足度も高く,また,外部からは「健康優良カンパニー」「健康優良法人」として認定されています.
また,清水建設さんは「子供たちに誇れるしごとを.」をブランドコンセプトとしています.このコンセプトのもとを辿ると,同社で役員をされていた渋沢栄一氏の論語と算盤にいきつくのですが,“後ろ指をさされない経営”というように解釈できます.後ろ指をさされない経営を,清水建設さんは,「お父さんの会社ってこんな会社なんだよ」と,子供に胸を張って言える会社にしたい.そんな想いが込められています.何か些細なことがあったときにでも,「私たちが今していることは子供たちに誇れることなのか?」をひとつの基準として自問自答していると伺っています.

Tran 最後に,サステナビリティ時代において企業はサービスのブランディングをどのように構築すべきか先生のご意見をお願い致します.

上條 繰り返しになりますが,考え方はとてもシンプルです.サステナビリティ時代だからそのために何かをするという発想ではなく,「自分たちらしいサステナビリティ」とは何か,を考え,実行に移していくことが大事だと思います.回答に正解はありませんし,各社,違ってもいいと思います.ブランドコンセプトをサステナビリティの観点でとらえ直し,何をすることが「〇〇らしいサステナビリティ活動」なのかを考え続け,実行に移すことが大事かなと思います.
他社が進めているからウチも何かしなくては,ではなく,オリジナルの,個性あふれるサステナビリティ活動をしていきましょう.

参考文献

インターブランドジャパン,これからのブランド成長のための新しい視点とは?
https://www.interbrandjapan.com/ja/brandranking/article/2022/what-is-the-new-perspective-for-future-brand-growth.html(2023年8月2日参照)
株式会社ブレーンセンター,BRANDING×SUSTAINABILITY
https://www.braincenter.co.jp/service/branding/in-focus.html(2023年8月2日参照)
上條憲二 (2022),超実践!ブランドマネジメント入門 愛される会社・サービスをつくる10のステップ,ディスカヴァー・トゥエンティワン出版.
三浦悠佑 (2023),コンセプトドリヴン・コンプライアンス[キンドル版],検索元 amazon.com.

著者紹介

上條 憲二

愛知東邦大学 経営学部 教授.日本ブランド経営学会会長,日本マーケティング学会評議員.外資系広告会社執行役員を経て,世界的なブランドコンサルティングファームであるインターブランドの日本法人でエグゼクティブディレクターとして企業のブランド戦略に携わる.その間,大手住宅メーカー,ゼネコン,自動車会社,旅行会社,航空会社,放送局のブランド戦略を担当.2014年より現職.「日本ブランド経営学会」の会長を務めるとともに,日本マーケティング学会・リサーチプロジェクト「健康経営ブランディング」研究会メンバーでもある.

Tran Thi Tuyet Nhung

愛知東邦大学経営学部助教.博士(経済学).京都大学大学院経済学研究科修了後.名古屋商科大学非常勤講師を経て,現職.主として国際ビジネス,小売マーケティング,新興国流通構造の研究に従事.

丹野 愼太郎

(株)マーケティング・エクセレンス コンサルタント.同志社大学工学部卒業,2013年同志社ビジネススクール修了(経営学修士).産業ガスメーカー勤務,産業技術総合研究所を経て現職.製造業のサービス化に関する研究等に従事.

青砥 則和

NECソリューションイノベータ株式会社 ソリューションコンサルタント.日本電気(株)入社後,通信機器関連の事業部およびグループ会社(現NECプラットフォームズ(株))にて,グローバルSCM改革,生産情報システムの企画・開発に従事.サクサ(株)を経て現職.

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