コラム 第13回国内大会 オーガナイズドセッション2「サービス・ケイパビリティと感情労働」 ―原 良憲 / 増田 央 2025年6月27日 はじめに 本オーガナイズド・セッション(OS)では,対人サービス産業において本質的に重要であるが,サービス学会として,あまり研究課題として深耕されていなかった「感情労働」を取りあげ,これからの研究課題の整理と解決アプローチを明確化することを目的としたものである.感情労働とは,他者が期待する感情を表出するために,自己の感...
コラム 第13回国内大会 オーガナイズドセッション1「SDGsイノベーション」ー藤岡 昌則 2025年6月18日 はじめに 2025年3月4日,サービス学会第13回国内大会において,オーガナイズドセッション(以下OSと称する)SDGsイノベーションが開催された.SDGsは17のゴールを持つ取組みであるが,その中でもサステナビリティとサービス価値創造に繋がる発表が行われた.セッションでは、資源の循環利用や廃棄物削減を促進するサーキュ...
コラム 第13回国内大会 国内大会参加報告 ― 根本裕太郎 2025年6月6日 サービス学会第13回国内大会が,2025年3月4日(火)から6日(木)にかけて立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で開催された.主な会場は,OICの中に2024年4月に誕生した新棟であり,創造性と協働の促進を感じさせる空間設計が施されていた.大会テーマは「地域価値創生へのシナリオ;サービス共創に向けたトランスディ...
コラム 第12回国内大会 第12回国内大会参加報告レポート3:論文誌セッション / プレセミナー 2024年8月5日 前回の記事から引き続き,第12回国内大会の模様を報告する.本大会では,研究発表セッションに加えて,学会活動に関する意見交換や実務家と研究者のディスカッションの場も企画された.本記事では,サービス学会論文誌編集委員会が主催した「論文誌セッション」と2024年3月1日に開催された「プレセミナー」の様子を紹介する. 論文誌セ...
コラム 第12回国内大会 第12回国内大会参加報告レポート2:サービスデザイン(3)セッション / 観光サービスセッション 2024年7月26日 前回の記事から引き続き,第12回国内大会の模様を報告する.本大会では,オーガナイズドセッション6件と一般セッション19件,加えてポスターセッションが設定された.全体で107件の発表演題があり,活発な討議がなされた.本記事では,編集委員(小早川・増田)が参加したセッションの一部について詳細をお伝えする. サービスデザイン...
コラム 第12回国内大会 第12回国内大会参加報告レポート1:プレナリーセッション 2024年7月20日 2024年3月5日から7日にかけて,筑波大学東京キャンパスにおいて開催されたサービス学会第12回国内大会では,4件のプレナリーセッション(基調講演3件,パネルディスカッション1件)が催された.これからの10年を見据えた“サービスデザイン”を共通軸として,初日に行政機関と民間企業による講演が,2日目には学術研究者による講...
コラム サービス学と実践 ムラカミロジー(7):日本のサービスイノベーションの最前線 - 村上輝康 2023年4月3日 コロナ禍での第4回日本サービス大賞 ようやく新型コロナ危機にも先にはっきりと光が見え始めた2022年12月6日,岸田内閣総理大臣をお迎えして,第4回の日本サービス大賞*1の表彰式が賑々しく開催された.内閣総理大臣賞に選ばれた株式会社エアークローゼット(以下,企業名の株式会社を省略)をはじめ30社が表彰されたが,いずれも...
コラム サービス学と実践サービス理論 AI研究者が見るサービス(4):サービスの定式化と価値の創発 – 中島秀之 2023年3月24日 サービスの定義 サービス学会での議論を通して,サービスとは何かという定義が熟成した.我々はサービスを「機能の提供と使用 (provision and utilization)」*1と抽象的に定義した.サービスにおいては,その提供だけでなく,ユーザが存在し,使用してくれることが重要である.これは狭い意味でのサービス業にお...
コラム サービス学と実践 伝統技術を生かした自然循環・エコシステム作り(1): 造船技術の利活用によるソーシャルインパクトの追求 - 上杉正章 2023年1月26日 造船の町である広島県尾道市因島へ本社をかまえる株式会社トロムソは,2006年に設立されました.地場産業である造船の技術を陸で活用できないかと模索し,もみ殻固形燃料製造装置「グラインドミル」を開発して以来,国内の農家向けに,それまで廃棄物とみなされていたもみ殻の再利用を推進する事業を進めてきました.ここで培った技術とノウ...
コラム ソーシャルインパクトサービス学と実践 伝統技術を生かした自然循環・エコシステム作り(2): 造船技術の利活用によるソーシャルインパクトの追求 - 星田剛 2023年1月26日 穏やかな内海に面する広島県は,長崎県とともに日本の船舶輸出の主力を担う造船の地であり,造船は戦前から地域の基幹産業であった.日本の造船業は1980年代には世界シェアの50%超を占めるガリバー産業であった.しかし,その生産量は2000年には韓国,2009年には中国に抜かれ,現在世界第3位の位置にある.このように日本の産業...