「実学ウェルビーイング・サービス研究会」(SIG)では、2024年度は、「社会課題を解決するWell-beingサービスと知識の結びつき~どのような知識が持ち込まれ・組み合わされ・生み出されたか~」をテーマに、四半期に2回のペースで活動(会合・合宿)を行ってきた(キーワード:実学志向、ウェルビーイング、社会課題解決、TSR、知識、サステナブル経営)。

ゴールは、社会課題解決のために、サービスが関わるさまざまな知識を収集し・結び付け・新たな知識を創出することでウェルビーイングを向上させる(TSR)ことである。参加者が帰属する多様な事業領域や学術領域における事例、具体的には、介護ケア領域、ツーリズム領域、教育・プロフェッショナルサービス領域、公共サービス領域および副業を始め異種の事業にまたがる知識の転用視点・IT基盤の活用視点等で事例を共有し、活発なディスカッションを実施してきた。また、外部講師の方をお招きし、SIG外からの知見も積極的にとりいれてきた。以下が活動実績となるが、毎回10人を超える方にご参加いただいた。(カッコ内は参加人員)。

  1. 4月21日:キックオフ(初年度の進め方とRQの仮設定)「ウェルビーイング・サービスと知識」(12)
  2. 5月19日:外部講演(西村先生(JAIST)・三ツ木氏)(知識と構造化・介護事例)(12)
  3. 6月9日:内部発表・ディスカッション(佐賀先生・種村先生)(ITサービス・サービス教育)(10)
  4. 8月4日:外部講演(原先生(東大)・木村氏(NEC))(サービス標準化:理論と実践)(39)
  5. 9月21日:内部発表・ディスカッション(細野(一)氏・細野(繁)先生(東京工科大))(知識伝承・WEB3によるサービス)(10)
  6. 11月23-24日:合宿:内部発表・ディスカッション(OSに向けた議論①)(課題認識・WBと知識)(13)
  7. 12月21日:内部発表・ディスカッション(合宿議論の延長・OS発表調整・OSに向けた議論②)(11)
  8. 2月22日:外部講演(Dejan先生(University of Primorska)・中村先生(創価大学 )) (Global Tourism)、ディスカッション(OS議論③)(21)
  9. 3月5日:第13回国内大会OSでの発表

第13回国内大会のOSでは、以下の5件の発表を実施した。クーポンの特性や全体の知識とWBの関係性等に関するさまざまなご質問・ご意見も頂き、活発な議論ができた。

  • NFTクーポン交換とDAOプラットフォームによる地域コミュニティの活性化(細野(繁)先生他)
  • AI支援で進化する介護現場の学びと成長ー目的意識の定着と測定による3ヶ月間の変化―(三ツ木氏)
  • 異業種交流によるプロジェクト人的資源の統合ーエコシステムの階層性と調整役の役割ー         (梅田氏)
  • 大学生との知識共創による温泉街再生のための新たな地域サービス(森下先生)
  • 異業種間知識移転:知識媒介者の知恵が導くサービス価値共創(村本氏)

今後は、経営環境、地域状況、人材、モチベーション、IT、リテラシー、インフラ、等事業領域ごとのさまざまな課題を前提に、異質の領域の知識が結びつくための共通の促進要因等を考察していきたいと考えている。      

発表風景

著者

杉山 大輔
日本製鉄(株)・日鉄ソリューションズ(株)等で投資効果・新規事業開発・業務コンサル等を実施後,現在,桜美林大学国際学術研究科特任教授(ウェルビーイング,サービスマネジメント,サステナビリティ経営,知識科学,国際標準等).博士(知識科学).サービス学会・日本KM学会・地域デザイン学会・HI学会・研究イノベーション学会・経営関連学会協議会等で活動中.

成瀬 博
日本電気株式会社勤務.金融機関システム開発のPM,技術戦略,サービスシステム基盤の企画・開発・運用担当等を経て,現在はネットワークサービスのデリバリを担当.技術経営,サービス価値創造を研究.博士(知識科学).サービス学会,情報処理学会所属.

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