コラム サービス学と実践 金属加工企業のサービス化への挑戦(1):“作ること”と“伝えること” -戸田有紀 2021年11月19日 株式会社キャステムは1970年創業の鋳造(ロストワックス精密鋳造)と焼結(金属粉末射出成形),2つの製造技術をメインとした金属部品製造会社です. 元々は同じ広島県福山市にあるマルト製菓株式会社というお菓子屋の製造部で,お菓子を作る機械も当時自社開発していました.そこでロストワックス製法*1を始め,やがて時代の流れととも...
コラム サービス学と実践サービス理論 ムラカミロジー(4):価値共創のサービスイノベーションの実践 - 村上 輝康 2021年11月1日 コロナ第2波と第3波の間隙をついて昨年10月に開催された第3回の日本サービス大賞の表彰式と重なる形で,この「サービス学と実践」というコラムが「ムラカミロジー」としてスタートしてもう一年である.一年後の2021年10月に,日本サービス大賞の主要受賞企業17社のオリジナルな事例分析を縦糸とし,それにサービソロジーの現場で用...
コラム サービスデザインサービス学と実践 社会課題を解決するサービスデザイン (2):やさいバスのデザイン実践-岩嵜博論 2021年9月17日 後編の記事ではやさいバスのサービスデザインについて,どのような実践を行ったかを解説する.ここでは特に,物流網整備の後に行われたECと物流が統合されたサービスのデザインについて解説する.やさいバスはECと物流が一体となったサービスが特徴であるが,その背景には複雑な課題を解きほぐしながら進めるサービスデザインのプロセスがあ...
コラム サービスデザインサービス学と実践 社会課題を解決するサービスデザイン(1):やさいバスのサービス−岩嵜博論 2021年9月14日 静岡で始まった農業物流の社会課題を解決するサービス「やさいバス」.物流とECが一体となったユニークなサービスは,地域の農産物の地産地消を実現する事業として静岡から全国に展開中だ.ここではそのサービスの特徴とサービスデザインの実践を2回の記事でお伝えする. 青果物流の課題 静岡で採れた野菜が,数百キロ離れた東京の大田市場...
コラム サービス学と実践サービス理論 ムラカミロジー(3):「医は特殊」か「医は普遍」か―医療のサービスイノベーション - 村上 輝康 2021年6月11日 「医は特殊」:制度産業としての医療サービス 昨年から今年にかけての新型コロナ危機の下で,サービス産業のうち最もその去就が注目を集め,その革新の必要性が問われてきたのは,(公務サービスを除けば)医療サービスの世界であろう.しかしながら,サービソロジーの分野で医療サービスを真正面から扱ったものは少ない.私の頭には,水流聡子...
コラム サービス学と実践サービス理論 コーヒーライフと価値共創 (2):生活者を中心にした新しいビジネスの仕組み - 張 婧 / 村松 潤一 2021年5月12日 顧客である生活者のコーヒーライフをサポートする事業を展開しているPostCoffee(ポストコーヒー)は,サービスの基本,いわゆる顧客中心(Customer-focused)といわれる考え方を実践している.経営学やマーケティング研究において,マーケティング志向や顧客志向などの議論が展開されてきたが,これらの議論はあくま...
コラム サービスデザインサービス学と実践 コーヒーライフと価値共創 (1) : PostCoffeeにおけるUXドリブンのプロダクト設計 - 下村 領 2021年4月27日 2020年2月6日,PostCoffee(ポストコーヒー)はサービスをローンチした.PostCoffeeはコーヒー診断を行うことで,約15万通りの組み合わせの中からそのユーザーの好みのコーヒーが届くサービスである.これまで定期便や頒布会と言われてきたサービスは,いまサブスクリプションサービス(以下,サブスク)と名前を変...
特集記事 サービス理論ロボットホスピタリティ ロボットホスピタリティから見るサービス研究の展開 2021年3月25日 本特集では,ロボットホスピタリティを軸に,サービス理論,デジタル化,人間行動,サービス人材,サービスデザイン,サービス生産性,ソーシャルインパクトの観点でサービスにおける技術活用を論考した. まず慶應義塾大学の山口高平氏から,巻頭言として「サービスロボットとユーザー視点」という題で,ホスピタリティ産業におけるロボット活...
特集記事 ツーリズム 特集「ツーリズムと地域資源」を終えて 2021年3月24日 「生活様式や価値観が本当に変わってしまった.」 この一年を振り返ると,この一言に尽きるだろう. 2020年は,コロナウィルス感染症COVID-19(以下,COVID-19)の感染拡大によって人々の動きが止まり,経済活動が停滞した一年だった.世界有数の都市がロックダウン(都市封鎖)をし,多くの国で他国との往来を未だに厳し...
特集記事 スマートシティ 「スマートシティ:まちの機能と文化の共創」を終えて 2021年3月23日 特集テーマとなるキーワードは注目を集める新しい活動に関するものが多いことから,その定義がはっきりと定まっておらず,編集担当者の頭を悩ませることが多い.「スマートシティ」もその例外ではなく様々な定義がなされている.その多くに共通する要素はIoT, ICTを活用したまちのデータの収集と蓄積,これらを分析してエネルギーや交通...